“またね。”

パラパラと雪が降りしきる。

今回は本格的に積もるだろうな─


『菜摘には嫌われたくない』


大ちゃんの小さな声は、静かに降る雪にさえも負けてしまいそうで。



「信じられるのは、菜摘だけだから」



表情が見えない。

だって─



きつく、

きつく抱き締められてる。


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