“またね。”
話題は自然とクリスマスへ。
…大ちゃんは、彼女と過ごしただろうけど
怖くて聞けない。
【クリスマスどうだった?】
「家にいたよ。姉ちゃんにクリスマスプレゼントもらった」
大ちゃんは?
彼女と過ごしたの?
プレゼントもらったの?
プレゼントあげたの?
【そっか。俺も家で暇してたよ】
─嘘つき。
大ちゃんはずるい。
わざわざそんなこと言わないでよ。
気休めだって、嘘だってわかってるけど─
嬉しかった。
【姉ちゃんに何もらったの?】
「ピンキーリング。可愛いよ」
小指に光る、ピンク色の小さなダイヤ。
ガキんちょの菜摘には似合わないけれど、1番のお気に入りだった。
【いいね。俺には誰もくれなかったよ】
もう、いい加減にしてよ。
これ以上、喜ばせないで。
クリスマスに彼女からプレゼントをもらってないなんて、そんなのありえないってわかってるのに―
全部信じたくなる。