“またね。”

―…かすかに聞こえた小さな音。

全身が熱くて、変な汗をかく。

顔も真っ赤だ、絶対。



“ちゅ”って音がした。



「…何やってんの?」

さすがに恥ずかしすぎる。

嬉しすぎて、声が震える。

【…うるっせーな!お前がほしいっつったんだろ!死ぬほど恥ずかしいんだから突っ込むなよ!お前がなんでもいいって言ったから…つか殺すぞマジで!】

また『殺すぞ』って言う。

恥ずかしいならやらなきゃいいのに。

菜摘だって充分恥ずかしい。

顔から火が出るって、まさにこのことだ。

「…あの…」

大ちゃんって、たまにすごくクサいことする。



【…クリスマスプレゼント】



こういうところも大好きなんだ。

こんなことするから、大好きでたまらないんだ。



「…ありがとう」



こんなことするから止められないんだよ。

諦められなくて

離れられない。

大好きすぎて、どうしようもなくなる。



ねぇ、大ちゃん。

あの日のことは

『一生の宝物』になったよ。


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