“またね。”

【菜摘は?してくんないの?】

「はあ?しないよバカ」

【頑張ったのに『バカ』はねーだろ】

開き直った大ちゃんは、何度も菜摘にせがむ。

そんな恥ずかしいことができるわけもなく



「うん、ごめんね。ありがとう」



一言、そう言った。



【素直でよろしい】



大好きだよ、って

言っちゃうところだった。



気付いたら明け方。

楽しい電話は終了。

【お前のせいでぜってー料金やべーよ】

「知らない。菜摘悪くないもん」

【はあ?殺すぞ】

今日3回目。

口癖なのかな。

【まあ、楽しかったよ。ありがと】

「うん、菜摘こそありがとね」

【さすがにもう寝るわ。またね】



─うん。

やっぱり、この口癖が1番好き。



「またね。おやすみ」



『おやすみ』なんて言ったって、眠れるわけがない。

まだドキドキしてる。



一生忘れてなんかあげない。

大切な、大切な

大ちゃんがくれた、クリスマスプレゼント。


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