“またね。”
メールを作成する。
見慣れた『大ちゃん』の文字。
メールなんて何度も送ったのに、やっぱりまだドキドキする。
《送信:大ちゃん
今って暇?》
携帯を開いたまま置き、教科書が散らばったテーブルから離れて布団に寝転がる。
画面に『受信中』の文字が表示されると、また少しドキドキする。
送った内容とは全く関係のない返事がきた。
《受信:大ちゃん
修学旅行のお土産忘れてたんだよ!ほしい?》
…修学旅行って、もう2ヶ月も前じゃん。
お土産の話なんてすっかり忘れてた。
《送信:大ちゃん
ほんと?腐ってないならほしい》
食べ物だったら腐ってるよね?
なんだろう。
《受信:大ちゃん
食べ物じゃないから!まあ楽しみにしてろよ》
メールの雰囲気からして、きっとニヤニヤしてるんだろうな。
そんな大ちゃんの姿が目に浮かぶ。
《送信:大ちゃん
わかったよ。楽しみにしてんね》
菜摘が驚くような物なのかな。
それよりも本当にお土産を買ってきてくれたことが嬉しくて、何度もそのメールを読み返した。