“またね。”
会う約束をしたのは翌日。

大ちゃんは部活があるらしく、あの公園で待ち合わせをした。

この公園にくるのは久しぶりだ。

屋根のついたベンチに座り、綺麗に降る雪を眺めていた。



約束の3時になる少し前、大ちゃんからメールがきた。

《受信:大ちゃん
今終わった!もう着いてる?》

《送信:大ちゃん
屋根ついてるベンチにいるよ》

大ちゃんに会うのは、初めて大ちゃんの前で泣いたあの日以来。

それに今回は初めて2人で会う約束をしたから

ちょっと緊張する。



携帯を開いたり閉じたり繰り返しながら返事を待っていると、小走りで向かってくる大ちゃんの姿が見えた。

「ごめん!寒かった?」

そんなこと言いながら、大ちゃんの方が寒そうだ。

久しぶりの学ラン姿に、マフラーが付け足されているだけ。

「寒いよー。10分くらい待ったもん」

「マジで?ごめんね」

なんだかカップルみたいな会話に少しはにかむ。

大ちゃんは申し訳なさそうに、顔の前で手を合わせた。

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