“またね。”
大ちゃんが隣に座ると少し暖かくなった。

だって大ちゃん、必要以上にくっついて座るから。

「菜摘、ほっぺ真っ赤だよ。そんな寒かった?」

大ちゃんの冷たい手が、菜摘の頬を優しく包む。

そして、つけていた紺色のマフラーを菜摘の首にそっと巻いた。



…そんなことしなくたって

頬に触れられた瞬間、もう熱くなっちゃってるのに。



「…ありがと」

俯いて言うと、大ちゃんはいつものように頭を撫でる。

優しくて大きな手。

菜摘も大ちゃんの髪についている雪を軽く払う。

大ちゃんが微笑むから恥ずかしくなって、それをごまかすように切り出した。

「ね、お土産は?」

「あ、そうそう!」

笑顔で応えて鞄の中を漁る。

携帯やらジャージやらを取り出し、鞄の中がほぼ空っぽになった。

「あ、あった!ほら!」

ニコニコしながら、それを菜摘の顔の前に出す。


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