“またね。”
早起きをして、いつもより念入りに準備をした。

雑誌を見ながら、丁寧に化粧をして

お姉ちゃんに服を借りて

伸ばそうと決心した髪にしっかりとアイロンを当てる。

ちゃんと2人で遊ぶ約束をしたのは、これが初めてだから。

『可愛い』って言われたいな─



お兄ちゃんに送ってもらい、公園に向かう。

大ちゃんはすでにきていて、ベンチで煙草を吸っていた。

部活帰りのはずなのになぜか私服。

車下りると、菜摘に気付いた大ちゃんが歩いてきた。

「遅れてごめんね。寒かった?」

「今きたばっかだから大丈夫だよ」

微笑む大ちゃんは、いつもと雰囲気が違う。

黒のダウンに薄いピンク色のロンT、ジーンズ。

そうか、B系じゃなくなったんだ。

「大ちゃん、B系卒業したの?」

「かっこいい?」

いつもより大人っぽくて、めちゃくちゃかっこいいです。

「うん、似合ってるよ」

お姉ちゃんに服借りてよかった。

服装が違うだけでこんなにもドキドキする。

…心臓、大丈夫かな。
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