“またね。”
カラオケに着くと、すぐに飲み物を注文する。

アイスココアを飲みながら曲を選んでいると、さっそく大ちゃんが菜摘をどん底に突き落とした。

「…てかさ、これって浮気になんのかな」

─やっぱり

別れてないんだ。

なんとなくわかってはいたけれど、やっぱり悲しい。

「…なるよ。彼女に隠れて他の女と2人で会うなんて、菜摘的には浮気」

自分で言ったのに傷つく。

…菜摘、浮気相手なんだ。



「あー…そっか。じゃあ菜摘は彼氏できた?」



─は?

『じゃあ』の意味がわからない。

『彼氏できた?』の意味はもっとわからない。

大ちゃんの思いがけない一言に、こめかみに痛みが走る。



普通そんなこと聞く?

菜摘の気持ちわかってないの?

それとも、わざと?



「…なんで?」

声が震える。

「ん?なんとなく」

菜摘は大ちゃんが好きなんだよ?

本当に気付いてないの?

ねぇ、どういう意味?

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