“またね。”
バレたの?

どこかで見られた?

恐る恐る2人で内容を見る。



《受信:塚本真理恵
お前マジ死ねや》



…完璧バレてるね。

「やべー…どこで見られたんだろ。あいつの友達に見られたんかな…」

焦る大ちゃんをよそに、菜摘はもう落ち着きを取り戻していた。

バレちゃったんだ。

呼び出されたりするのかな。

自分でも不思議なほど、焦りもなければ恐怖もない。

大ちゃんがメールを無視すると、またすぐに赤いランプが光った。

《受信:塚本真理恵
一緒にいる女の番号教えて。名前は?》

…菜摘、ヤキ入るみたいだね。

「超キレてんじゃん。どうしよ」

大ちゃんは画面を見ながら、そんなことを繰り返す。

「いいじゃん。バレちゃったもんはしょうがないもん。番号と名前、教えていいよ」

相変わらず罪悪感はないけれど、自分が悪いってことくらいさすがにわかってる。

それに菜摘は生意気だから、呼び出されたりするのは慣れっこなんだ。

中学に入学してから、もう何度呼び出されて『調子のんな』って怒鳴られたことか。


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