“またね。”

音信不通

数日が経った。

あれから大ちゃんとは連絡をとっていない。

メールしようか迷ったけど、もし彼女といたら─



…でも

メールくらいなら…大丈夫だよね?



《送信:大ちゃん
彼女とどうなった?》

たったこれだけのメールを送るのに、ここまで緊張したのは久しぶりだ。

『別れた』と返ってくることを願った。

すぐ返ってきたメールに、今は彼女と一緒じゃないんだ、と安心した。

《受信:大ちゃん
1発殴られただけだから大丈夫だよ。菜摘のことは言ってないから安心してね》

殴られたって…

彼女、凶暴なの?

《送信:大ちゃん
え…大丈夫?菜摘のこと言ってよかったのに。ごめんね》

やっぱり菜摘が行くべきだった。

菜摘が殴られるべきだったのに。

《受信:大ちゃん
謝んなくていいよ。大丈夫だからさ》



大ちゃんと会えなくなるくらいなら

殴られた方がマシだったのに。
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