“またね。”
《送信:美香
行きたい。いつ?》

《受信:美香
そう言ってくれると思ったよ!えっとね…》

日にちと時間を聞いてメールを終わらせた。

布団に寝転がって天井を見る。



─…大ちゃんに会える。

会えるんだ。



そう、思っていたのに。



数時間後、再び美香からメール。

なんだろう。

《受信:美香
あのね、菜摘。言いにくいんだけど…》

最初の2行を読んだだけで、心臓が大きく波打った。

なんとなく─

その先がわかったから。



《山岸くんが、菜摘がいるなら行かないって言ってるみたいなんだよね…。だから今回は中止になったから…》



─やっぱり。

どうして?

彼女にバレたから?

『行けない』じゃなく『行かない』。

たったこれだけのことでどうしようもなく不安になる。

菜摘のこと

嫌いになった?



《送信:美香
うん、わかったよ。なんかごめんね》

返事を送り、携帯を閉じた。
< 135 / 407 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop