“またね。”
「で、なに?菜摘ウィンナーしか食べてないからさ、早めに済ましてね」

お腹は空いてるし、じれったいのも嫌。

それにこういう緊張感って、とてもじゃないけど好きになれない。

「俺だって何も食ってねんだよ。てか、先生こないか見張ってて」

辺りをキョロキョロ見渡しながら、学ランのポケットから携帯を取り出す。

ボタンをいくつか押すと、画面を向けられた。

「…なにこれ?」

映っているのは、笑顔でピースをする菜摘。

「これがなにさ?」

「これ、お前だよな?」

「そうだけど…」

「最近誰かと遊んだ時、写メ撮ったりした?」

「写メなんかいっぱい撮るからわかんないよ…だからなに?さっさと言ってよ」

意味がわからなくて、少しイライラする。

何が言いたいのかさっぱりわからない。



でも次に出てくる言葉を聞いて、

苛立ちなんて吹き飛んだ。

代わりに、頭の中は『?』で埋め尽くされる。
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