“またね。”
「この画像、出会い系に登録されてたんだってよ」

…は?

出会い系?

菜摘の写メが?

「ちなみに名前も『菜摘』だったってさ」

余計に意味がわからない。

出会い系なんてしたことないのに。

「あんた出会い系なんかやってんの?」

「俺じゃなくて友達。他校の奴なんだけど、お前のこと知ってるらしくてさ。俺にメールきたから見てみたら、プロフィールもおんなじ」

言いながら携帯を閉じ、ポケットにしまう。



─そんなの知らないよ。

頭がついていかない。



「お前、出会い系なんかしてないよな?」

「してない!」

つい声が大きくなる。

だって本当に知らないのに。

「わかってるから大丈夫だって。犯人探す?」

「そんなことできんの?」

「簡単だよ。アドレスとかでさ。今日そいつに連絡してみるから」

そこらへんの知識が全くない菜摘は素直に感心した。

持つべきものは友達だ、なんて調子のいいことを考える。

「それにさ」

立ち上がろうとした時

こんなこと言いたくねぇけど、と付け足した。
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