“またね。”
「何それ!?ありえないんだけど!」

『出会い系』などの単語が大嫌いな伊織が、机を思いきり叩く。

クラスメイトの視線が集中した。

「意味わかんないってか許せない!誰がやったかわかんないの?」

「その人に聞いてみてくれるってさ」

かなり怒ってくれている伊織に、逆に菜摘が怯んでしまう。

こんな時でもやっぱり笑っているのが隆志だ。

「誰かに恨まれるようなことしたんじゃないのー?」

恨み?

そんなの、急に言われても。

…っていうか、菜摘のこと嫌いな人なんてたくさんいるだろうし。

「…あ」

「なに?」

“真理恵さん”?

会ってたことバレたわけだし、恨みも持つよね?

…でも菜摘の写メなんか持ってるわけないか。

共通の知り合いもいないし。

「ううん、なんでもない」



─…それに

大ちゃんとは、もう連絡すら取れないんだから。
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