“またね。”
「色んな話聞いてんだよ!調子こいてんじゃねーよチビ!」

もう本当にイライラする。

「んなもん知らねぇよ。誰に聞いたってんだよ。言ってみろや」

バカな菜摘は見事に挑発に乗る。

向こうも相当イライラしているらしく

口を滑らせたように、信じられない名前を出した。



「美香から全部聞いてんだよ!しらばっくれんな!」



─ちょっと待ってよ。

今なんて言った?



『美香』って言ったよね?



「…美香って、倉田美香?」

3人は明らかに『ヤバイ』という顔をする。

何かヒソヒソ話している姿を見て、怒りは絶頂に達した。

「聞いてんだよ!答えろよ!」

周りに人がいることも気にせず怒鳴り散らす。

走って出ていく3人を追い掛ける気力すら湧かなかった。



美香が菜摘の悪口を言い振らしてるってこと?

どうして?

受験終わったら遊ぼうねって言ったのは美香じゃん。

ねぇ、嘘でしょ?



信じられなくて

本当にショックで─

おぼつかない足で、車に戻った。
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