“またね。”
気になってたのに、ずっと聞かないでくれてたよね。

ごめんね。

ありがとう。



─でも

やっぱり、正直に言うことはできない。

口に出すのが怖い。

「…どうなったもなにも、大ちゃん彼女いるし。もう会ってもいないし、連絡もとってないよ」

伊織の目を見ずに淡々と言う。

こんな時まで強がって、損な性格だな─



何もないわけじゃない。

何もできないだけ。

連絡すらとれないから、どうすることもできないんだよ。



「…そっか。まだ好きなの?」

そんなの決まってる。

答えはひとつしかない。

でも言えないよ。

「好きじゃないよ。3ヶ月も会ってないんだから」

今だから言える、大人にとっては『たった3ヶ月』でも、子供にとっての3ヶ月はとても長い。

長くて、長くて…

もう一生会えないような気さえした。
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