“またね。”
学校に着くと、以前から知り合いだったかのように4人で盛り上がる。

授業が始まっても、入学初日にも関わらず、4人でずっと話していた。



6時間の授業が終わり、帰る準備をしていると

「なっつ、今日は好きな人探すんでしょ!」

理緒が菜摘の腕を掴む。

そういえば、昨日そんな話したっけ。

「え、誰!?何年!?」

「わあ、いいね。青春だねぇ」

騒ぐ由貴に、のん気に笑う麻衣子。

こういう時って性格が出やすいと思う。

「3年だって。何部?」



強引に連れられて大ちゃんの部室を探す。

教室のすぐ近くだったからすぐに見つかった。

中を覗くと、部員らしき人が何人かいるものの、大ちゃんは見当たらない。

「なっつ、あん中にいる?」

「ううん、いないや…」

やっぱり、そんなにうまくいかないよね。

でも同じ高校にいるんだから、チャンスはいくらでもあるはず。

少し落ち込んで、足を教室に向けた時…



「…菜摘?」
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