“またね。”
暇潰しも兼ねて、プリクラ撮ったり、UFOキャッチャーしたり。
気付くと2時間以上経っていて、短い針はもう『6』を過ぎていた。
「あー…あたし、もう帰んなきゃ」
「あ、そうだよね。じゃあ帰ろ。付き合わせちゃってごめんね」
伊織の家は門限が厳しい。
どうせ会えるわけがないのに、付き合わせちゃって悪かったな…。
「あたしこそごめんね」
「ううん。付き合ってくれてありがと」
3等分にされたプリクラを伊織から受け取って財布に入れる。
まだ期待して、店内を見渡してしまう自分がバカみたいだ。
諦めが悪いにも程がある。
菜摘こんなんだったっけ?
気付かれないようにため息を吐き、ふたりを小走りで追い掛けようとした時だった。