“またね。”
《受信:隆志
また彼女からメールとかきた?》

授業中、隆志からきたメール。

《送信:隆志
メールはきてないけど、たぶん通りすがりにキモイって言われた》

やっぱり黙っていられるほどいい子じゃない。

なんか考えれば考えるほど、だんだん怒りが増してきた。

《受信:隆志
マジっすか?すんません。ちゃんと言っときます》

携帯を閉じて、ため息を吐いた。

昨日からため息ばっかりだ。

先生に注意されても気にならない。

窓側の最後列って、意外と見られてるんだよね。



前の席の由貴から手紙がきた。

携帯を机に置いて手紙を開く。

ついに先生が怒鳴り始めたけど、見事にスルーした。

《あのね、噂で聞いたんだけど。D組のミヤコって奴が、なっつの悪口言い触らしてるらしいよ》

…噂ってそんなに早く回るもんなの?

昨日メールきたばっかりなのに。

手紙を元の形に畳んで

また1つ、大きなため息を吐いた。



朝一緒にいるところを見られたんだろうか。

それにしても気にくわない。

悪口言いふらして仲間を集めて、ひとりじゃ何もできない奴がいちばん嫌い。

ついに闘争心まで湧いてしまった。
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