“またね。”
宝物
体育祭の翌日。
異常なほどに荒れ果てた学校。
授業になんてなるはずもなく、今日は1日中全校生徒でお片付けだ。
菜摘は玄関掃除だから、大ちゃんに会えるかな、なんて期待してたけど
くるのはやっぱり植木くん。
「おい。早く女紹介しろって」
階段の手すりにもたれかかり、菜摘を見下ろす。
入学してから会う度に言われる台詞にうんざりする。
「やだよ。女くらい自分で探して」
「うぜぇ奴だな。友達いねぇの?」
「うるっさいなーほんと」
こんなやりとりは毎度のこと。
植木くんのことはもちろん嫌いじゃないけど、『紹介』とかって本当に嫌。
するのも、されるのも。
「じゃあ今からよ、最初にメールきた子紹介するってのは?」
「男だったら?」
「死ねよお前」
「……死なねぇよ」
呆れてため息を吐いた時、ポケットの中で携帯が震えた。
…タイミングがいいのか悪いのか。
異常なほどに荒れ果てた学校。
授業になんてなるはずもなく、今日は1日中全校生徒でお片付けだ。
菜摘は玄関掃除だから、大ちゃんに会えるかな、なんて期待してたけど
くるのはやっぱり植木くん。
「おい。早く女紹介しろって」
階段の手すりにもたれかかり、菜摘を見下ろす。
入学してから会う度に言われる台詞にうんざりする。
「やだよ。女くらい自分で探して」
「うぜぇ奴だな。友達いねぇの?」
「うるっさいなーほんと」
こんなやりとりは毎度のこと。
植木くんのことはもちろん嫌いじゃないけど、『紹介』とかって本当に嫌。
するのも、されるのも。
「じゃあ今からよ、最初にメールきた子紹介するってのは?」
「男だったら?」
「死ねよお前」
「……死なねぇよ」
呆れてため息を吐いた時、ポケットの中で携帯が震えた。
…タイミングがいいのか悪いのか。