“またね。”
「メールきた」

「マジ?いい子じゃん」

手すりを飛び越えてすかさず菜摘の携帯を覗く。

植木くんの『いい子』の基準はよくわからないけど、男でありますように。

「あれ?知らないアドレスだ」

「はっ?使えねぇ女だな」

…それって菜摘のこと?

体育祭同様、スネに蹴りを入れる。

つまらなそうに去って行く植木くんを放っておき、メールを見た。



登録してないけど知ってるアドレス。

アドレスの先頭には『takashi』の文字。

─都ちゃんだ。

少しドキッとした。

また『死ね』なんて書かれてたら、いい加減キレてもいいかな…。

少し戸惑いながら内容に目を通した。



携帯を開いたまま駆け出す。

意外と真面目に掃除している3人には悪いけど、今は掃除どころじゃない。

全速力で走った。



「隆志!ちょっと!」

ドアに手を掛けて叫ぶ。

隆志は呼ばれた理由を知っているのか、ニコニコしながら出てきた。

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