“またね。”
学校祭が終わるとすぐ夏休みに入る。

亮介には、あのあとすぐに謝った。

やっぱり亮介は優しくて、笑顔で許してくれた。

太陽みたいな笑顔で。

亮介の優しさに、罪悪感は増すばかりだった。



夏休みに入ると亮介の部活が忙しくなり、菜摘は休日のみのバイトをしていたから、夏休みはあまり会えなかった。

たまたま2人の休みが重なった日、亮介の部屋で久しぶりに会った。

「2人で会うの久しぶりじゃない?」

ベッドであぐらをかきながら、亮介が嬉しそうに言う。

こういう無邪気なところが可愛い。

外見は大人っぽいのに。

「うん。あんま会えなくてごめんね」

「なんで謝んの?バイトだからしょうがないじゃん。俺も部活あるしさ」

亮介の優しいところが好き。

『そうだね』と言ったら、亮介はニッコリ笑った。
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