“またね。”
「何が?菜摘キレられるようなことしてないけど」

負けじと睨み付ける。

20cmの身長差が、いつもより大きく感じた。

「何がじゃねぇよ。なに他の男と話してんの?見せ付けてんのかよ」

最近いつもこう。

『他の男と話すな』

友達は友達。

隆志は特別。

『話すな』なんて勝手な命令、聞けるわけがない。

「隆志は友達だって言ってんじゃん。友達と話して何が悪いのよ?」

何度もこう説得してるのに、亮介は一切聞く耳をもってくれない。

いくら彼氏でも、友情を壊す権利なんてないでしょう?

「俺と付き合ってんだから男友達なんか必要ねぇだろ。彼氏いたら他の男と話さないのが普通じゃねぇの?」

勝手な言い分。

今まではこんなこと言わなかったのに、あの日から突然こんな風になった。

睨み合いを中断させたのは、授業開始を知らせる鐘だった。



束縛は嫌。

別に男と2人で遊んだりしているわけじゃない。

ただ話していただけ。

彼氏ができたら、友達まで捨てなきゃいけないの?
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