“またね。”
ちょうどその頃から、あるサイトが流行っていた。

誰が作ったかはわからないけれど、うちの高校のホームページみたいなものだ。

チャット形式で話す掲示板もあって…まあ、主に悪口なんだけど。

口コミで一気に広まり、みんな見ていた。

菜摘はそういうのにあまり興味がないから、暇潰し感覚でたまに覗く程度。

うちらのグループは学年でも目立ってるから、名前がよく出る。

そりゃこんな派手で可愛い子が3人も集まれば目立つに決まってるんだけど。

亮介の名前や、植木くんグループの名前もよく見掛ける。

そして、大ちゃんの名前も。



そういうのに名前が出るって、あまりいい気分じゃない。

『自分は目立ってる』と喜んで参加している人も中にはいたけれど、まあ悪口を書かれるわけで。

『あいつ調子こいてる』

『死ね』

『あいつ嫌い』

身元がバレないのをいいことに、あることないこと言いたい放題だ。

「また理緒の名前出てるし!僻むなっつーのっ」

「由貴も書かれてるよ。マジうざい!」

サイトを覗いて腹を立てる。

最近の日課だ。

『だったら見なければいい』

そうはわかっているものの、自分の名前が頻繁に出ていれば、気になるのは当然のこと。

ついでなのかなんなのか、菜摘も悪口を書かれていた。
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