“またね。”
「あ。大ちゃん」

「菜摘じゃん」

理緒の付き添いで3年生の階に行くと、大ちゃんがいた。

3階にはたまにくるけど、大ちゃんが廊下に出てるのは珍しい。

「菜摘、なんか最近人気あるんだって?植木が言ってた」

…あの野郎、大ちゃんに言いやがったな。

大ちゃんの性格からして、たぶんサイトなんか見てないはずだ。

人気なんてとんでもない。

あることないこと好き勝手に書かれて、毎日イライラしっぱなしだ。

「植木くんだって人気あんじゃんっつっといて。あとくたばれハゲって。ムッカつく!」

「あー、ごめんね。言った俺も無神経だった。植木にも伝えとくよ。なんかすげぇ大変らしいじゃん」

俺は見てないけど噂ヒドイよな、と言いながら少し眉をひそめた。
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