“またね。”
そのままお互いのことを報告し合い、昼休みが終わる頃

視界に入り込んできたのは、こっちに向かってくる亮介。

─ヤバイ、見つかった。



「おい!」

すごい形相で菜摘と隆志を睨み付けた。

隆志は目を丸くする。

「てめぇふざけんなよ!俺の女だってわかってんだろ!」

隆志の胸ぐらを掴み、今にも殴りそうな勢いで怒鳴る。

廊下にいるみんなの視線が、3人に集中したのがわかった。

「やめろよ!隆志から手ぇ離せ!」

隆志は気が小さいから、こんなことされたら絶対に抵抗できない。

隆志から亮介の手を離させ、思い切り怒鳴った。

手まで出すなんて絶対に許せない。

「何回言ったらわかんだよ!?俺以外の奴と喋んな!」

もうダメだ。

隆志にまで迷惑かけて、菜摘はこのままでいいんだろうか。



…いいわけがない。

そんなのもうわかってる。



本当に申し訳なくて、隆志の目を見ることができない。

「…隆志、ごめんね。ほんとにごめんね」

「いや、俺は気に―」

「ごめんね」

みんなの目がうっとうしい。

見せ物じゃないんだから─
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