“またね。”
「…いい加減、ちゃんと話そっか」



放課後、亮介の家へ行った。

重たい空気が流れる中、沈黙が続く。

先に口を開いたのは菜摘だった。

「あのさ、菜摘どうしたらいいの?なんで友達と話しちゃダメなの?」

ソファーに座り、俯いたままの亮介に少し強く言った。

隆志と縁を切るなんて考えられない。



ずっと友達だよって

ずっと一緒だよって

約束したんだ。



「…ごめん。俺どうかしてた。もうしないから…」

─え?

突然素直になった亮介に驚いて、返す言葉が見つからない。

「亮…介?」

「マジごめん。隆志って奴にも迷惑かけちゃったよね」

とても悲しそうな目でゆっくりと立ち上がり、菜摘の隣に腰掛ける。

「菜摘…最近疲れてるよな」

そっと頭を撫でられた時、自分が疲れていることに気付く。

毎日書かれる悪口。

亮介との関係。

最近気疲れしていて、あまり眠れなかったから。
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