“またね。”
ふたりでってことだよね?
こんな順調に進んでいいの?
目の前で微笑んでいる人は、夢や幻なんかじゃないよね?
返事はとっくに決まってる。
「菜摘でよければ!」
暇潰しだろうとなんだろうと、山岸さんと話せる。
話せるんだ。
この人のこと
もっと、ちゃんと知りたい。
きっと、知れば知るほど
好きになる気がするから。
「やった。じゃあ俺らももう出るから、外で待ってるね」
「はい!」
部屋へ戻って大騒ぎ。
ふたりも驚いて、信じられないって言ってたけど
満面の笑みで応援してくれた。
そしてすぐにカラオケを出た。
『奇跡だの運命だの、そんなものはない。
たまたまタイミングがよかっただけの話だ』
ねぇ、大ちゃん。
大ちゃんに出会った時ね―
自分でもバカだなって思うよ。
『奇跡だの運命だの』
そんなものを信じたくなったんだ。