“またね。”
停学が終わる頃、もう2月に入っていた。

大ちゃんたち3年生は自宅学習という名の春休みだから、学校にはこない。

ちょっと寂しいな…。



3年生のいない校舎は、いつもよりも静まり返っていて

その静けさが、これからの『別れ』を意味しているようだった。



1年なんてあっという間。

1ヶ月なんて、もっとあっという間。

3月1日。

今日は、ついに卒業式。

式自体は1時間程度。

3年間過ごしたのに、たった1時間で終わっちゃうんだ。

先生のやっぱり無駄に長い話を聞いたあと、クラス代表が卒業証書を受け取る。

理緒は彼氏が卒業だから菜摘の隣で大泣き。

最初はバカにして笑っていた菜摘も、みんなが卒業すると思うとやっぱり寂しくて

結局、理緒と2人で号泣。

卒業式が終わる頃には、もう2人とも化粧が崩れてひどい顔だった。

見るに堪えないとはまさにこのことだ。

みんなに散々バカにされて、大笑いされた。

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