“またね。”

一線

あれから数日。

あの日から、大ちゃんとは頻繁に連絡をとっている。

今までとは違って大ちゃんからもよくメールがくる。

メールをしたらすぐに返してくれる。

会ってはいないけど、本当に幸せだった。



大ちゃんは彼女と別れていない。

でも菜摘も急かさなかった。

もちろん早く別れてほしいけど

大ちゃんが自分で別れを切り出さなきゃ意味がない。

だから、菜摘からは何も言わなかった。

『別れた』と言われることを、ただ願っていた。



その日の夜、なんだか眠れなくて、大ちゃんとメールをしていた。

《受信:大ちゃん
お前暇なの?》

平日なのにこんな時間までメールしてるから気になったのかな。

《送信:大ちゃん
うん、暇あ。なんか寝れないし。大ちゃん遊んでよ》

本当に暇だし、久しぶりに会いたい。

本気と冗談5分5分…ううん。

8分2分で送ってみる。

もちろん、本気が8分。

《受信:大ちゃん
いいよ。もうすぐ仕事終わるから、菜摘んち迎えに行くわ!》

え、いいの?

意外にもアッサリ承諾され、喜ぶ暇もない。



本当は、大ちゃんが彼女と別れるまで会わないつもりだった。

でも会いたい気持ちの方が、断然勝っていたんだ。
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