“またね。”
《送信:大ちゃん
なんで会えないの?》

《受信:大ちゃん
最近ほんと忙しいから、時間ないんだよね》

─嘘つき。

会えないのは忙しいからじゃないでしょう?

どんなに忙しくても会いにきてくれたじゃん。



シビレを切らし、電話をかけた。

でも─

その日、大ちゃんが電話に出ることも

大ちゃんから連絡がくることもなかった。



ねぇ、大ちゃん。

もう終わりなの?

こんなので納得できるほど、簡単な気持ちじゃないんだよ。



『終わらせたい』

そんなの嘘。

『もう会いたくないって、正直に言ってほしい』

そんなの絶対に嫌。

まだ期待している自分がいる。



だって、まだ始まってすらいないじゃん。

好きなんだよ。

どうしようもないくらい好き。

好きすぎてどうしたらいいのかわからない。

『好きだよ』って、もう1度言ってほしい。



菜摘、大丈夫だから。

ずっとずっと、待っていられるから。

だから─



お願いだから

声を聞かせてよ…。
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