“またね。”
「菜摘ね、あそこの夜景大好き」

やっぱりはしゃぐ菜摘。

だって、会えて嬉しいから。

「なんで?もっと綺麗なとこいっぱいあるじゃん」

大ちゃんはそんな菜摘を見て微笑む。



確かにそうだけど

『思い出』より綺麗なものなんてないんじゃないかな。

大ちゃんに、初めて『好き』だと言われて

初めて、キスした場所。



「いいの。あそこが1番好き」

なんだか照れ臭くて、カフェオレを一口飲む。

ついニコニコしてしまう自分が恥ずかしい。

あんなに落ち込んでた1週間が嘘みたいに。

「お前ほんといっつもニコニコしてるよな。こっちまで元気になるわ」

顔隠してたのに、バレちゃったのかな。

「菜摘の笑顔は太陽ですから」

「バカか」

冗談混じりに言うと、大ちゃんも笑った。



ねぇ、知ってる?

大ちゃんといたら、自然と笑顔になるんだよ。

菜摘を笑顔にしてくれるのは

大ちゃんの笑顔なんだよ。

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