“またね。”

家に着くと、すぐにメールを作成する。

登録された『大輔』の文字を見るだけでドキドキした。

こんなの初めてだ。

《送信:大輔
着いたよ。大輔は?》

そんな短いメールを送るのに、何分かかったかわからない。

返事はすぐにきた。

《受信:大輔
お疲れ!俺は寒くて死にそうだったから、結局タクシーで帰ったよ》

寒がりなのかな。

ずっと外にいたもんね。



それから少しだけメールをして、布団に潜り込んだ。

そしてこっそり、大輔を『特別』にする。

メールの着信音を変えるだけなのに、なぜか緊張した。

そんなことをしたのは初めてだったから。



片想いだけど前向きで明るい曲。

きっと、あなたを振り向かせてみせるから。



大輔に恋をして1日目にして、今までじゃ考えられない自分を知った。

大輔といたら変われると思った。

だから……

楽しくて幸せで、明るい恋になると

信じて疑わなかったんだ。


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