“またね。”
行為が終わると、大ちゃんが口を開いた。

「菜摘、一緒に風呂入ろっか!」

「はっ?やだよ恥ずかしい!」

菜摘の反抗も見事にスルーされ、強引にお風呂場へ連行。

お湯をためて、せっかくだから泡風呂にした。

温かさに気持ちが少し落ち着く。



「…なんかごめんね。襲っちゃって」

申し訳なさそうな表情で言う。

どうして謝るの?

そんな顔しないでよ。

「なんで謝るの?」

微笑むと、大ちゃんも少しだけ目を細めた。



一息つくと、大ちゃんが後ろから菜摘の肩に手を回した。

これから話すことはなんとなくわかる。

それでもやっぱり、菜摘の全てが大ちゃんの手に反応する。



「俺らってどういう関係?」



─ああ、やっぱりね。

『どんな関係』って、そんなの決まってるじゃない。

「セフレじゃん」

冷静に答える。

こんな悲しい台詞、菜摘に言わせないでよ。

「俺セフレとかそういうの嫌なんだよ。体だけみたいな」

じゃあどうしろって言うの?

『付き合おう』って言ったって、大ちゃんは頷いてくれないでしょう?

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