“またね。”
「菜摘さ、たぶん一生好きだよ。大ちゃんのこと」

『永遠』なんて不確かなもの、信じられない。

でも─

大ちゃんへの想いは『永遠』だと、心からそう思う。



他の人を好きになるなんて

大ちゃんへの想いが消えるなんて

そんなの想像できない。

そんなの嫌。



「どうしたらいい?」

2年間募り続けた、この行き場のない想いを

どうしたらいい?



右手が塞がる。

夏なのに、やっぱり大ちゃんの手は冷たい。

それなのに暖まる。

『魔法の手』だなんて、可愛いことは言えないけれど

本当に不思議。



目が合うと、大ちゃんは切なく微笑んだ。



「ずっと好きでいてよ」



笑っているのに、とても寂しい目。

全てが不思議で

全てに惹かれる。

すごく、引き込まれる。



「…うん。約束する」



ずっとずっと、あなただけを想うから。

「約束ね」

約束するから─



私を、忘れないでね。

ずっと

ずっと。

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