“またね。”
─ああ、そうか。

やっとわかった。

亮介じゃダメだった理由。

大ちゃんじゃなきゃダメな理由。

この感情を、なんて呼ぶのか。





私、愛してる。

この人を、愛してるんだ。





『神様』と呼ばれる人が、本当にいるのなら

どうか願いを叶えてください。

あの頃に─

─『またね』─

大好きな一言を初めて聞いた、あの頃に

2人が出会ったあの頃に、時間を戻してください。

もう、決して間違えたりはしないから。

もう、決して後悔はしないから。

素直になるから。



それが無理だと言うのなら

今度生まれ変わった時、ふたりでひとつにしてください。

そしたら、決して離れることはないでしょう?



人と人は、繋がることができる。

結ばれることもある。

でもひとつになることなんてきっとできない。

だからお願いします。



願いを叶えてください─


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