“またね。”
読み終わった時、菜摘は声を出して泣いた。



─『バイバイ』─



初めて大ちゃんに言われた

何よりも聞きたくなかった言葉。

次に繋がることない、終わりを意味する言葉。



大好きな大ちゃんの

大好きな
大好きな

『またね』

もう聞けないんだね。

本当に終わりなんだ。

さよならなんだね…。



それはあまりにも突然で

『さよなら』さえも言えなかった。



今度こそ─

本当に終わった。



涙は止まらない。

優しい笑顔で頭を撫でてくれる人は、もういない。

『泣き虫』って言いながら笑ってくれる人も

もう、いないんだね─


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