“またね。”
「お前やっぱちっちぇーな。150ある?」
「あるよ失礼な。153だもん。大輔は?」
「ちっこいじゃん。俺178」
「大輔がおっきいんだよ」
「そう?」
25cmも差あるんだ。
どうりで大きいと思った。
大輔は菜摘の前髪を掴み、小さくちょんまげをつくった。
「俺ちっちゃい子好きだよ」
菜摘の前髪から手を離し、撫でるように軽く整える。
この低い身長がコンプレックスだったのに、大輔の一言でそんなの吹き飛んだ。
ねぇ、大輔。
菜摘のことどう思ってる?
聞きたいけど聞けない。
こんなに人を好きになったのは初めてだから、怖いんだ。
だって菜摘なんか相手にされるの?
小さな不安が―
少しずつ、少しずつ積もっていく。
不安だらけだ。