“またね。”
弱い人
メールを送ると、美香と寺田くんはすぐにきた。
「菜摘、久しぶり!」
美香が満面の笑みで、ふたりがくる少し前に空いた菜摘の隣に座る。
ちょくちょく街中で偶然会うことはあったけれど、こうやって遊ぶのは久しぶりだ。
「うん。早かったね」
相変わらずのハイテンションで、金髪のセミロングに、もう開けるスペースがないほどのピアス。
最後に会った日よりも更に派手になっている。
「菜摘ちゃん?久しぶりー。俺のこと覚えてるー?」
『寺田くん』も大輔の隣にドカッと座ると、4人はテーブルを挟み、2対2で向かい合う。
寺田くんが煙草に火をつけると、菜摘の右隣からも同じ香りが漂ってきた。
苦手なメンソールの香りが、部屋に充満する。
仲良しなのかと思っていたのに、大輔と寺田くんはあまり話さない。
それどころか、大輔はずっと携帯をいじっている。
…なんか変な感じ。