“またね。”
「来月に体験入学あるし、一緒に行くぞ」
「うん。気が向いたらね」
「絶対向かないでしょ!いいから行きなよっ。隆志、ちゃんと連れてってね」
ふたりの勢いに負け、渋々頷いた。だって頷くまで解放してくれなさそうなんだもん。
「言っとくけどさ、約束は破るためにあるもんだよ」
「まあたそんなこと言うー」
こんなひねくれたことを言いつつも、ふたりとの約束は破れない。
絶対に、何があっても失いたくない存在だから。
この時、ふたりがいなかったら……
きっと、あなたに出会うことはなかったね。