“またね。”
『家着いたよ』ときたメールに、寺田くんと仲良くないのかと正直に聞いてみると
共通の友達がいて、たまにみんなで遊ぶくらいだと言っていた。
やっぱり、仲良くないんだ。
大輔のあの態度に納得する。
《もう寺とは遊ばないよ》
そのメールを見て
少しホッとした。
でもそんなこと、菜摘に言わなくたっていいのに。
菜摘は彼女でもなんでもないんだから。
《送信:大輔
しつこいけどさ、もうやめなね》
《受信:大輔
うん。菜摘、ちゃんと見張っててね》
見張っていられるくらい傍にいたい。
もっともっと近付きたい。
隣にいたい。
《今日はほんとにごめんね。じゃあ、またね》
この時、全て言っておけばよかった。
つたない言葉でも、伝えておけばよかった。
そしたら……
ずっと
ずっと
隣にいられたかもしれないのに。