“またね。”
その日から本格的に受験勉強を始めた。
始めたのが遅すぎたぶん頑張らなきゃ。
菜摘は推薦なんてもらえるわけがない。
学年トップクラスの伊織に教わりながら、人生初の猛勉強に熱を入れた。
数日後、修学旅行から帰ってきたと大輔から連絡がきた。
ちょうどその頃、菜摘はテスト期間中。
さすがに遊んでる暇はないから、また今度会うことになった。
大輔はあまり自分から連絡をしたりする人じゃない。
だからメールをくれたことはもちろん嬉しいし、会いたくてたまらないけど
みんなとの約束を守りたいから、ぐっと堪えた。