“またね。”
携帯を閉じ、布団に潜り込む。
ゆっくりと目を閉じた。
あの時、思うがままに全てを伝えていたなら
何かが変わったのかな。
彼女ができる前に伝えていたら、大輔は……。
遊ばれたっていい。
傷ついたっていい。
これは本当に、本心なんだ。
でも他の人にとられるのは嫌。
こんなの矛盾してるのかな。
だって……
ふたりにはまだ、時間があると思ってたのに。
ねぇ、大輔。
もう会えないの?
嘘だよって言ってほしい。
彼女なんていないよ、菜摘が好きだよって─
夢の中でもいいから、言ってほしいよ…。
少しでもいいから
私のことを考えてほしい。
片隅でもいいから……
あなたの中に、私の存在があってほしい。