“またね。”

「そうなんだ。菜摘こないだ体験入学行ったよ」

言って、ふと思った。

同じ高校なら知ってるかなって、その程度。

「じゃあ大輔って知ってる?山岸大輔」

中学校と違って高校は広いし、人数も倍以上いる。

知ってるわけないかな。

「あー山岸?知ってんの?同じクラスだし、俺ら仲いいよ。今日はこなかったけど」

耳を疑った。

こんな偶然ってあるの?

「ほんと!?」

まさかこんなところに大輔との繋がりがあるなんて。

聞いてみてよかった。



世間って本当に狭い。

駿くんは小学校から一緒で、おまけに部活まで一緒らしい。

これはチャンスだよね?

この1ヶ月間ずっと"彼女"が引っ掛かっていて、自分からは誘えなかった。

人に頼るのは好きじゃないけど、この際どうでもいい。

会える可能性があるなら、もうなんだっていい。


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