“またね。”
愛しい人
1週間ってすごく長い。
1週間がこんなに長く感じたのは初めてかもしれない。
「明日だっけ?山岸と遊ぶの」
伊織や隆志にはもちろんとっくに報告済み。
「うん。超楽しみ」
月に1度のテストも、あと1回でやっと終わる。
フライングして解放的になっていた。
「言っとくけど、再来週もテストなんだからね!今回だけだよ!」
あんたはお母さんか。
声に出さずに突っ込んで、小さく笑う。
心配してくれていることが伝わってきて、同時に心から感謝した。
「わかってるよ。大輔に妬くなって」
「だって、なっつはあたしのものなのに」
ふてくされる伊織をバカにして笑う。
─『伊織のことだって、本当に大好きだよ』─
これは言わないけど。
「でも大輔は彼女いるしね」
笑って言ったら、伊織はやっぱり悲しそうな顔をした。