指先で紡ぐ月影歌




それでも時代の流れというのは決して待っちゃくれなくて。

日に日に状況は悪くなっていく。


そんな新撰組内で強力な戦力が次々と失われるなか始まった鳥羽伏見での戦い。


敵さんは今時な銃を所持していた。

なかなかハイカラだよな。


まぁ確かに便利な武器だと思う。

俺たちを預かってくれていたあの会津だってあれを推奨していた。


なんとか覚馬、という男が中心だっただろうか。

京に来ていたとき何度か姿を見たことがある。


あれは遠方からの攻撃が可能だから、自分が怪我をする前に相手に傷を付けられる代物だ。

ぶっちゃけ音だけでも普通に驚くし。


あれを使えば戦は楽かもしれない。

俺自身扱えない代物ではないけれど。


それでも、俺はいけすかない。




< 184 / 239 >

この作品をシェア

pagetop