指先で紡ぐ月影歌
<紡ぐ誠>
それからあれよあれよという間に時間は流れていって。
近藤さんは斬首。
俺は左之助とも道を別れ、総司は病が回復することのないまま。
斎藤は会津に留まりあの人は更に北へ向かったと聞いた。
自ら腹すら切らせてもらえなかった近藤さん。
何より武士に憧れていた人なのに。
あまりに残酷すぎる仕打ち。
総司がこの世を去ったのは近藤さんが斬首されて直ぐだったようだ。
それが俺にはまるで殉職のように感じて仕方なかった。
誰よりも近藤さんを慕っていたのは総司だったから。
左之助はあの後どうしたかわからねぇ。
まぁでも何となく生きてるんじゃないかと思ってる。
そう簡単に死ぬような奴じゃないし。
あいつの生命力は異常だ。