指先で紡ぐ月影歌
信頼している、今この瞬間も変わらずに。
それに生きることを簡単に諦めるような奴らではない。
信念を、簡単に捨てられるような奴らじゃない。
(…あぁ、でも)
ただ一人だけ。
あいつが泣かないかどうか。
それだけが気掛かりだ。
「…ちゃんと、褒めてやらなきゃ、な」
もし、願いが届くなら。
どうか小さなあいつが無事にこの地を出られますように。
最後の願い
(最後なのだと知りながら)
(俺はあいつに一番重い命を課した)