指先で紡ぐ月影歌
俺たち試衛館出の奴らと芹沢さんたちは中々話の合わないことが多い。
それこそ浪士組として初めて時間を共にするようになってからずっと。
それぞれの性格もあるだろうが、所謂育ちの違いってやつだろう。
どっちが良くてどっちが悪いとは思わないけど、どっちも癖の強い奴らばかりだ。
勿論俺を含めて。
衝突は幾度もあった。
でも新八は少し違う。
あいつの剣は芹沢さんと同じ神道無念流。
同門、というやつだ。
この世界は不思議なもんで、同じ剣を学んだもの同士には切っても切れない繋がりがある。
同門のよしみっていうもんが。
それは時に信頼に似た色を示すんだ。